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山の日レポート

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通信員レポート

第9回 親子登山教室

2021.08.25

全国山の日協議会

日本山岳会栃木支部で開催した「山の日」関連事業の「親子登山教室」の実施報告をお送りいただきましたので紹介します。「山の日」の横断幕やのぼり旗を掲載し、アピールいただきました。

(ここから)
平成24年に開始された親子登山教室は、今年度第9回を迎えた。昨年度は、コロナ禍のため、開催することができなかったが、コロナ感染防止対策をした上で、開催することとした。今回は親子11組31名と、講師1名、日本山岳会栃木支部、栃木県山岳・スポーツクライミング連盟のスタッフ11名で、日光・社山へ登った。

開催日 令和3年7月18(日)
対 象  小学生・中学生の児童生徒と保護者
【主 催】  公益社団法人 日本山岳会 栃木支部
【共 催】  一般社団法人 栃木県山岳・スポーツクライミング連盟
【後 援】  栃木県教育委員会、日光市教育委員会

2日前に梅雨が明け、夏空が広がる登山日和の天気である。
7時40分から歌が浜駐車場にて受付を開始、8時に全員集合し、開講式を行う。支部長の挨拶、参加者自己紹介、スタッフ自己紹介、注意点を確認する。特に熱中症対策として、用心のために500㎖ペットボトルをプラスアルファしてもらうこと、具合が悪い時は、早めの対処が取れるよう、直ぐにスタッフに伝えてもらうことをお願いした。各自登山の準備をし、8時15分半月山駐車場へスタッフの車で移動する。
歌が浜駐車場から半月山駐車場までは旧中禅寺湖スカイライン約7㎞で、標高差は1270mから1595mへ300m超高い。途中の見晴らしの良い所では、富士山が見えた。
8時35分記念写真を撮り、準備運動をして、8時50分に出発。ソーシャルディスタンスができるように、5人で班編成をし、スタッフが1人ずつ担当し、班別行動をする。最初に1班から3班が出発し、4班から6班は10分時間を置いて出発した。
登り始めはゆっくりゆっくり歩くが、直ぐに汗が噴き出し、途中水分補給をしながら登り、30分程で半月山展望台に到着。初めて北方面の眺望が得られ、男体山、中禅寺湖をはじめ奥日光の山並み等、360度の展望を楽しむ。水分補給、体調を確認し、短い休憩で出発する。
半月山山頂はパスし、半月峠へ降る。急斜面で滑りやすく、岩ゴロゴロ、木の根などに注意しながら、慎重に歩く。時々富士山が見えるか確かめながら、左手の足尾方面、右手の男体山の景色を見ながらも、転ばないよう「ゆっくりでいいよ」と声を掛け合って降りた。
10時、半月峠到着。ここで、休憩を利用して自然観察講師の富永先生の解説を聞く。ナナカマドの木の話、ダケカンバとシラカンバの木の見分け方、アキアカネの名前の不思議、最後に登山下りの危険な体験談などが話された。

「峠」とは周りに比べて一番低い所を言い、この先は中禅寺山に約70mの登り返しとなる。見上げる先の山頂は遠くに感じるが、一歩一歩足を前に進めると、いつの間にか到着する。山頂は針葉樹に覆われ暗い。水分を補給し、直ぐに出発。

ここから阿世潟峠へは、250m程高度を下げなければならない。ミヤコザサに覆われた稜線歩き。教わった樹木を探しながら、樹々の間に中禅寺湖を見ながら、延々と下りが続く。
11時10分、予定より30分以上の遅れで阿世潟峠へ到着。ここでもう一度体調確認をし、体調に応じて班を編成し直す。絶対山頂に行きたい人の班、1時間30分の登りに不安で途中の景色の良い所までで結構な人の班、登りはここまでにして、安全に下りたい班の3班に分ける。下山時間を考え、13時までに山頂に着かない場合は、そこで登りは終了して、下山に切り替えること、先に阿世潟に下った班は、そこでのんびり待っていて、登頂隊と合流してから一緒に歌が浜に下山することを約束し、さっそく行動開始。 
社山山頂までは430m余りの登りで、結構な急登である。登山道はほとんど日陰になるような木がなく、時折、吹く風が気持ち良い。1567m地点の雨量観測用のアンテナのある所は岩場のため、その先の広くなった景色の良い所で休憩をする。時間の経過とともに雲が沸き、富士山は隠れてしまい、男体山にも雲が懸かった。偽ピークにだまされ、疲れがピークになってきた。今度こそ山頂が待っているぞと鼓舞し合った。
先行隊が12時30分に三等三角点のある山頂1826mに到着。後行隊も10数分遅れで登頂を果たし、1年生から6年生の子ども12人、親9人とスタッフ7人の大集団で、コメツガの針葉樹林帯の先の笹原で昼食を頂く。13時10分より富永先生の2回目の解説で野生動物との関わり方等の話が有り、集合写真を撮って、下山を開始する。

下山は、中禅寺湖に段々近づいていく様や、正面に小さく見える朝出発した半月山駐車場などの景色を楽しみながら、転ばないよう注意して降りる。来た道を確かめながらこんなに急な登りだったのだと、改めて感じた。1567m地点まで下山し、細い尾根が終わり先の見えた所だったので、1班から3班は休憩を兼ねて、地図とコンパスの学習を少しだけする。

中禅寺湖畔の阿世潟に15時到着。白い砂浜で休憩をし、ここから長い林道歩き、湖岸沿いの道は、ブナやミズナラ、カエデ、シラカンバなどの美しい林相である。途中シカに出会う。山頂で富永先生が言っていたとおりで、その後、サルにも出会う。

16時イタリア大使館別荘記念公園でトイレ休憩し、16時25分歌が浜駐車場に到着。予定より1時間も遅れてしまい、取り急ぎ閉講式を行う。修了証は、共催の一般社団法人 栃木県山岳・スポーツクライミング連盟の全国組織の協会から援助を受けていることから出ているもので、子どもたちに手渡された。

16時35分、全日程を終え解散。スタッフは最後に、半月山駐車場に置いてあるスタッフ車を回収した。
(文責:日本山岳会栃木支部 仲畠正子)

2021.7.18 am6:05 歌が浜駐車場にて 左から社山 奥に錫が岳・白根山 右に男体山

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