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山の日メッセージ2025 ~福井県の山の思い出~
2025.07.24
『山の日』全国大会の福井県開催、まことにおめでとうございます。
福井県の山では2020年9月に、安全登山指導者研修会の講師として奥越高原に行ったことと、今年3月に荒島岳を訪れたことが忘れられない思い出です。
前者では、高層雲(おぼろ雲)が高積雲(ひつじ雲)に変わって天気が回復していく様子や、奥越高原青少年自然の家から見た、真っ赤に染まる夕焼け空が今も心に残っています。
高層雲(左)から高積雲(右)に変わり、天気が回復する様子
時間を忘れて、ただただ見つめていた。奥越高原からの夕焼け
今年3月には日本百名山の荒島岳(標高1,523m 福井県)に行く機会がありました。荒島岳は、著者の深田久弥氏の故郷だから選ばれたとか、色々言われることが多い山ですが、麓の大野市から眺める堂々とした山容や、美しいブナ林、絶景が広がる山頂など、名山としての資質を備えた山でした。
大野市郊外からの荒島岳
この日は、登山ガイド事務所・山志さんのガイド登山に山岳気象の講師として参加し、雲の解説や、雪庇や雪崩の危険、森林限界を越えるときの注意点など、登山中に必要なリスクマネジメントについてお話ししながら登りました。
このときの雲の解説について、「空の百名山」公式HPに書いてありますので、興味のある方は是非ご覧ください。
http://sora100.net/course/kantenbouki/3369
荒島岳の尾根上から見る白山連峰
今年は積雪量も十分にあり、また直前に寒気が入ったことで、素晴らしい樹氷が見られて、荒島岳の大ファンになった私ですが、登山中にはピッケルを持たない登山者がいたり、雪庇の上に沢山人が乗っていたりなど、雪山のリスクを知らない方も登っていて、背筋が寒くなりました。
美しい樹氷
雪山は本当に美しくて登ったときの充実感も大きく、登山本来の魅力を味わえる場所ですが、それだけにひとつ判断を間違うと命を失ったり、大怪我につながることがあります。私も冬の富士山で滑落をし、怪我をした苦い記憶があります。折角の楽しい登山で命を落とすことは絶対にあってはならないことと思います。この登山を通じて、私が安全登山のためにやるべきことを改めて知ることができ、雪山登山における危険を発信することを続けていきたいと思います。
文責、写真:猪熊隆之(山の日アンバサダー)
山の日アンバサダー 猪熊隆之さん
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