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山の日レポート

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通信員レポート

第1回大会から第10回大会へ~山を想う心を未来へつなぐ~山の日2026メッセージ

2026.08.05

全国山の日協議会

「山の日」に思う-この魅力を次世代に伝えるために 

久保田賢次(元『山と溪谷』編集長、広報・デジタル委員)さんよりメッセージをいただきました

「山の日」について小中学生に伝えるには

登山の出版社に長く勤めていたこともあり、毎年8月11日を前にすると、新聞、テレビ等のメディアの方々から、山の日の紙面や放送内容について相談を受けることもありました。そうした中、この夏は朝日学生新聞社の方からの問い合わせに、全国山の日協議会の広報・デジタル委員の一人として、対応させてもらう機会がありました。はて、小中学生に向けて分かりやすくお伝えするにはどうすればいいのだろうか? これまでも、「山の日を契機に皆さんの故郷の山、身近な山々のことを考えてみてはどうでしょうか」などとアドバイスさせてもらって来ましたが、悩みました。詳しくは丁寧に取材をしていただいた記者さんの手によって、8月9日の朝日中高生新聞に掲載されていますが、ここでは、私がそれを通じて気づいたことを記させていただきます。

私自身の故郷の山は茨城県の筑波山(霞ヶ浦近くの恋瀬川より)

身近な野遊びや自然観察などの話題から

私たち大人は、登山という観点から、山の日をとらえることが多かったと思います。ただ子供たちにとっては、よほど山歩きに熱心な親御さんなどがいなければ、そうした機会もないですし、イメージもわかないと思います。まずは野遊びや、花摘み、虫捕りなどの身近な自然体験を通じて、山や自然を考えてもらうのがいいかなと考えました。写真は現在、私が暮らしている街(東京都足立区)からの風景ですが、冬の晴れた日などは、こんなに綺麗に雪を頂いた富士山の姿を眺められるのです。国土の7割が山岳地域の日本では、必ずしも、登山に出かけなければ山を感じられないというわけではありません。日常の暮らしを通じて、山の美しさや恩恵に触れることもできると思います。

東京都足立区からの富士山。街に暮らしていても「山」を感じられる

さまざまな「山」とのつきあい方

山を眺めたり、写真を撮ったり、絵を描いたり、樹木や花、生き物に興味を持ったり、「山」に親しむ機会には様々な方法があります。私の場合は、茨城県筑波山麓の周囲を山々に囲まれた自然豊かな田園地帯で育ちました。恵まれた環境のなかで、当時は夏休みの一般的な遊びであった昆虫採集や植物採集をしながら、野山を駆け回って来ました。どうしても出会うことができなかったアサギマダラという蝶が舞っている姿を見たくて、信州の自然に憧れ、やがて登山を趣味とするようになりました。 こうした自然体験の機会が、山の恩恵を感じてもらうことにつながるのではないでしょうか。
また、現代のような高齢化社会のなかでは、「山は好きだけれど、もう体力的に登れない」という方々の残念な声を聞くことも多く、せめて好きな山の絵をお部屋に飾って眺めてもらえたらと、「山の絵つなぐサイト」というサイトの運営などもしています。

幼少期に地元では見られなかったアサギマダラに憧れて信州の山々へ



「山」が荒れていくなかで

山の良さや恵みを感じていただくと同時に、将来に向けた課題も知ってもらいたいと思いました。手入れが行き届かず荒れていく森林。老朽化や自然災害などにより荒廃する登山道。ゴミや産業廃棄物の問題。野生動物との軋轢…。小中学生の皆さんには、こうした視点からも考えてもらいたいと思いました。この全国山の日協議会のホームページでも、「これでいいのか登山道」というコーナーを設けていますが、若い人たちに山の美しさ、素晴らしさを感じてもらうと同時に、改善が必要な問題にも目を向けてもらえたら心強いです。また、山に入る時の心構えや事故対策などにも、関心を示して欲しいと思っています。

私の故郷の家から眺めた筑波連山(左から足尾山、加波山)。 シルエットは変わらないが、森林の荒廃や道路の延伸など変化は大きい



学校の校歌に歌われた山

小中学生に「山」を身近に感じてもらうには、学校の校歌を例にイメージを膨らませてもらうのが良いのではと思いました。 地域のシンボルになっている山々は、校歌の歌詞として、何世代にも渡って歌い継がれ、親しまれています。筑波山麓で育った私の場合は、「紫ににおう筑波嶺 高き理想ここにあおぎて」(中学校)。「春あけぼのの 空の色 匂う紫紺の筑波の峰を」(高校)と、いずれも筑波山が登場します。 今は登山や旅行を通じて全国各地を訪れる際に、「その地域の学校の校歌にはどんな山や川の名前が出てくるのだろうか」と興味を持って調べています。そんなこともあって、朝日中高生新聞の記事は、「みなさんの学校の校歌には山の名前が入っていますか。山の日をきっかけに身近な山に目を向けてみてください」といった言葉で結んでいただきました。

郷里の近くの廃校となった小学校で。校舎は当時のまま里山学校として活用されており、校歌も掲げられている。

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