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山の日レポート

山の日レポート

通信員レポート

花とマラソン

2022.03.01

全国山の日協議会

梅本知榮子

個人賛助会員梅本知榮子さんからの投稿です。
梅本さんは1970年女性によるアンナプルナIII峰(7557m)登山隊隊員で、女性のヒマラヤ登山黎明期に活躍されました。この隊の副隊長は後に女性初のエベレスト登頂者になる田部井淳子さんでした。
梅本さんからは入会時「鹿野さん(評議員)と梶さん(理事長)が熱心に活動されているのは、意義があるのだろうと考え入会します」とのメッセージをいただきました。

カタクリの花と粟ヶ岳

撮影地を探して三条へ

山の写真を撮り続けてきたが、高齢になるにつれ其の対象が変化してきた。山の厳しさ、壮大さだけだはなく、森や花へと変ってきた。出来れば美しい山と花とのコラボレーションが理想であった。

ユリ科のヒメサユリは大好きな花で、自然の群生地を調べていくうちに、浅草岳、鬼ヶ面山、粟ヶ岳等越後の山に多く咲くことが分かった。しかし、体力が落ちた状態でも楽しく、写真撮影に全神経をそそぐことが出来る場所はないかと探していたところ、三条市のヒメサユリの小路をみつけ、2万五千の地図を注文したり、下田支役所発行の(しただの山)という小冊子を取り寄せたりと下準備をし、一人で出発した。三条市との出会いはヒメサユリだった。

始めて高速道路を三条で降りた時は右も左も分からなくて不安ばかりだった。
しかし下田に着けば何かが分かるだろうと気楽に考えていた。下田の支役所付近の町並みが、一挙に山村風景に変わり、ぐいぐいと気持ちがひきつけられてゆく。ああここに来て良かったと胸をなでおろしたのを記憶している。

カタクリの花との出会い

新潟行きの数年はヒメサユリの撮影と八木ヶ鼻の岩壁の撮影だったが、その後、北五百川の棚田に咲くカタクリの花の撮影に変った。本当は両方とも撮影したかったが資金的に無理だった。
撮影はいつも自宅を夜の出発、越後堀の内のサービスエリアでの仮眠。早朝の撮影地への到着。そして花の撮影。帰りは温泉に入って夕方、三条を出発して深夜の帰宅。

カタクリ撮影の2年目。とてもラッキーな出合いがあった。棚田のオーナーに会うことが出来たのだ。
まず古民家に宿泊できるように手配していただいたこと。これは大変にありがたかった。そしてこれからの花の咲き具合のニュースを教えていただけること。その他もろもろのことを惜しみなく教えていただいた。

八木ヶ鼻

3点セット

白い残雪の山粟ヶ岳を背景にカタクリの花。そして桜の花。素晴らしいロケーションだ。私はこの条件を3点セットと名づけた。
 

桜とカタクリの花と粟ヶ岳

子どもたちを撮る

棚田のオーナーの名前は佐野誠吾さん。この人に知り合ったことで、新潟の撮影計画はゆたかになった。
北五百川の駐車場に車をおくと、必ず佐野さんの自宅を訪ねるのが常だ。この日も自宅ではなくマラソンの出発地、八木ヶ鼻温泉の広場に出向いていると聞かされた。いつもとは異なり軽快な音楽が流れ、子供達が大勢応援に来ていた。面白そうなので、カタクリの撮影は中断して、そちらの撮影に切り換えた。毎年、春は粟が岳の山岳マラソンがおこなわれていて、上位入賞者にお米が贈られているようだ。
子供に釣られて被写体変更。楽しい時間になった。
その後、2年間。コロナ菌の影響でカタクリの写真が撮影に三条に出向くことが出来ないでいる。

マラソンと八木ヶ鼻

マラソンと粟ヶ岳

マラソンと子どもたち

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