山の日レポート
【動画】国際国際山岳年+20シンポジウム
【動画】12月10日(土)セッション3、基調講演Ⅱ
2022.12.22
キルギス国際大学のマクサト・アナルバエフです。今日は,「キルギス山岳地域の野生生物保護の現状と法規制」というテーマで発表をさせていただきます。
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ここに写っているのは,アライ渓谷の夏の牧草地,レーニン峰の前にある牧民の移動式ワゴンや伝統的な移動式テント・ユルタです。パミール・アライ山脈と天山(テンシャン)山脈は,ご存知のように生物多様性に富み,同時に歴史的に牧畜に利用されてきた地域です。1991年のキルギス独立後,地球環境アジェンダの後押しもあり,キルギスの山岳地域における野生動物保護に対する要望は大きいと言えます。
しかしその一方で,野生動物による家畜の捕食や,自然保護区と牧畜民の衝突など,人間と野生生物の衝突に関する報告がここ数年で急増しているのも事実です。
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野生生物保護の観点から,山岳地域は特に注目されています。生物多様性は,食料,医療,燃料,身体的保護,宗教的,美的・精神的な喜びに至るまで,重要な機能を果たし,さまざまな恩恵をもたらすことが広く認識されています。 山岳地域は,多様な生物多様性の生息地であると同時に,地球上の人口の22%を擁する地域でもあります。キルギスでは,これらの地域は,気候的な特徴により,牧畜に適した環境条件を作り出しています。
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キルギスの山々は,ユキヒョウ,アルガリ,アイベックス,ヒグマ,アカシカ,オオヤマネコ,オオカミ,その他多くの哺乳類の象徴的で包括的な種のためのすみ家になっています。
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キルギス政府は,ユキヒョウなど世界的に絶滅の危機にある野生生物の保護を環境アジェンダに掲げ,山岳生態系保護へのグローバルな取り組みで重要な役割を果たし,世界ユキヒョウ保護プログラムの指標にもなっている保護地域ネットワークのさらなる整備を進めています。
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キルギスの山岳地域は,牧畜,天然資源採取,開発プロジェクト,狩猟,自然保護に携わる多くの関係者を惹きつけている,というのが私の見解であり,この点から始めたいと思います。
(訳:水嶋 一雄)
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