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山の日レポート

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通信員レポート

【島根県】隠岐・知夫里島(ちぶりじま)だより~タヌキについて思うこと~

2026.04.14

全国山の日協議会

南家知子さんからのレポートです

 私が住む隠岐郡知夫村は、人口600人、タヌキ2000匹が暮らす島、と言われています。人口は多少の増減はありますがだいたい600人なのですが、タヌキの生息数は正確に数えられたことはなく、数えることも難しいそうです。ただ、「すごくたくさん、いるんだよ!」ということを表すために2000匹と言っているようです。
 実際、島で暮らしていてタヌキに出会わない日はないぐらい、たくさんいます。牛の放牧地や牧場などはもちろん、家の裏山にも住んでいるので、我が家の庭を悠々と歩いて、夕方出勤していくタヌキを毎日のように見かけますし、商店の前などにも日常的にいます。
 そんなタヌキですが、多くの島民からは迷惑な存在と思われています。そもそも、タヌキは元々は知夫里島に生息していませんでした。かつての村長がつがいのタヌキを飼っていて、それが逃げ出したのが繁殖したのだそうです。
 私も夫も、「タヌキがいなかったらな~」と思うことが多々あります。

 以下に、タヌキについて思うことを書きます。

島前カルデラをのぞむ放牧地でのんびりするタヌキたち

【タヌキがいて困ること】

1.牛の濃厚飼料を食べる
 牛の主食はもちろん草ですが、トウモロコシなどの入った濃厚飼料も与えます。タヌキはこれが大好物!人間が見ている間はかろうじて寄って来ませんが、いなくなるとすぐに来て飼料を横取りします。タヌキが口をつけた飼料は臭いのか、神経質な牛はその後食べなくなることもあります。飼料を食べている間ずっと見はったり、飼料入れに入り込まれないように工夫もしていますが、完ぺきに防ぐのはなかなか難しいです。

2.畑の作物を食べる
 特に冬場、山に食べ物がなくなる時期に、白菜、大根、かぶなどを食べられます。多くの人が柵で囲ったり、網をかけたり対策をしていますが、網がめくれたところから入り込んだりもするので油断ができません。我が家では昨冬、ブロッコリーをやられました!

3.犬がタヌキを追いかけようとする
 我が家の飼い犬は、島根県の山奥の猟犬の血を引いているせいもあるのか、タヌキを見かけるとものすごい勢いで突進していきます。そのたびに肩がはずれそうになります。いつか、タヌキにガブっと食いついてしまうのでは、と思うと恐ろしいです。
 ちなみに近所の犬は、タヌキに食いついて離さないので、犬とタヌキを一緒に海に投げこんだところ、びっくりして離れたとか…

4.手袋、サンダル、ブラシなどを持っていってしまう
 ゴム製の物が好きなのか、庭に置き忘れたゴムの手袋や、外用のサンダル、長靴などを洗うためのブラシなどをどこかへ持って行ってしまいます。手袋は置き忘れないようにすればいいですが、サンダルは持って行かないでくれ~

地面にまかれた牛の飼料に群がる

【タヌキがいて良いこと】

1.島を訪れた人が喜ぶ
 観光客はタヌキに出会うと、とても嬉しそうです。先日、隣りの島在住の友だちとドライブした時も、「タヌキを初めて見た!」と、大興奮で写真を撮っていて、都会の人でなくてもこんなに喜ばれる存在なのだ、とびっくりしました。

2.見た目はかわいい
 悪いことさえしなければ、かわいい生き物です。

牛はタヌキのことは全然気にしていないようです

 このように、困ることたくさん、良いことほんの少し、というのが多くの島民にとってのタヌキの存在です。
 しかし昨年の全国的なクマの被害のニュースを見ていて、少し考えが変わりました。タヌキは確かに迷惑な存在だけれど、他のさまざまな動物の獣害に比べると、たいしたことはないのでは?と思えてきたのです。

【島にいるのがタヌキでよかったこと】

1.人や犬などを襲わない
クマのように人間を襲う生物は本当に怖いな、と昨今のニュースを見て思います。

2.草(干し草なども)を食べない
もしタヌキが青草や保存してある干し草を食べる生きものだったら、放牧での畜産が主幹産業の知夫にとっては本当に大変。濃厚飼料を食べられるのは大問題ですが、牛の主食で1日中食べる草が無事なのは、ありがたいことだと思います。

3.3Dには動かない
サルのように上下、自由自在に動かれたら、作物を守るのももっともっと大変だと思います。タヌキが平面をのそのそ動く動物でよかったです。

 そんなわけで、タヌキがいると大変なことがたくさんですが、まあ上手につき合って暮らしていこうと思います。

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