
アンバサダー
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私の北アルプス物語 1日目
2026.06.01
皆様、こんにちは、山の日アンバサダーの高橋勇市です。
2025年7月18日(金)
朝5時15分、富山地方鉄道の特急「立山」に富山駅から乗車。
私の北アルプス物語が始まりました。
5時53分に有峰口駅へ到着すると、そこからは予約していたタクシーで一気に折立登山口(標高1,350m)を目指します。
右手に有峰湖の気配を感じながら有料道路を駆け抜ける時間は、嵐の前の静けさならぬ、登山の前のワクワクタイムです。

折立登山口にて
人が一人やっと通り抜けができる様な狭い山道もいくつかあります。
普通の登山者なら「ちょっと急だな」で済む道も、全盲の私にとっては「天然のアスレチック」です。張り出した木の根っこを相手に、何度か四つん這いになって進む姿は、さながら「進化した野獣」です。
人間、本当に登りたい時は二足歩行にこだわらなくても良いのだと、山が教えてくれます。
背後から的確なナビゲートを飛ばしてくれるTさんに、「すみません、今、野獣モードに入っています」と心の中で言い訳しながら進みます。私の奇妙な動きを冷静に、かつ温かく見守り、安全なルートへ導いてくれる仲間の忍耐強さには、開始早々感謝しかありません。
一般の登山客が「この人 何してるんだろう」と通り過ぎていく時の視線を感じます。
後から私のヘルメットの「盲人」の文字を見て「頑張って下さい」の激がたまには飛びます。

樹林帯にて
樹林帯を抜けるとそこは三角点ベンチ(標高1,870m)
左にベンチ、右に有峰湖が見下ろせます。
視界は開け、風が通り抜けます。
三角点ベンチには、なんと2時間30分で到着。
2年前は3時間かかりましたから、30分も短縮です。
コースに慣れたのか、それとも荷物を軽くした「軽量化の魔法」が効いたのか。とにかく、過去の自分に勝利した喜びで、心の中ではガッツポーズです。
「早くなりましたね」というTさんの言葉に、鼻が高くなります。
私の足取りが軽かったのか、それとも妻の誘導が良かったのか。
おそらく後者でしょう。

三角点ベンチ
休憩後、太郎坂へ。緩やかなアップダウンとは名ばかりで、足元には「漬物石」のような大きな石がゴロゴロ。さらに崩れた階段が立ちはだかります。
妻の「右、大きな石あります」「段差、高めです」という実況中継が頼みの綱です。
ふと空を見上げれば(音を聞けば)、ヘリコプターが小石の詰まった袋を空輸中。
「あぁ、あれで階段を直すんだな」と感心していると、作業中の職人さんに出会いました。なんと毎日折立から日帰りで往復して作業しているとのこと。
「私は今日ここに泊まるのに、職人さんは毎日下山するのか」
彼らの超人的な体力には、ただただ頭が下がる思いでした。

太郎坂
先へ先へと進み、五光岩(ごこういわ)ベンチで休憩後は
いよいよ太郎平小屋(標高2,330m)へレッツゴー!!
腐食した木道が岩道に変わっており、私の足元はフラフラ。
最後の木道を確実に前に進みます。
Sさんの「あと少しですよ」という励ましに支えられ、13時15分、無事にゴール!!
タイムは約6時間。標準タイムには及びませんが、2年前と同じペースを維持できたことに大満足です。

太郎平小屋に到着
さて、昼食は名物「行者にんにくラーメン」の誘惑を断ち切り、あえての「普通の醤油ラーメン」。Tさんに「えっ、普通のでいいんですか?」と突っ込まれそうな選択ですが、これがまた体に染みるんです。
夕食は言葉を失うほどの美味しさでした。

7月18日 昼食ラーメン
全盲の私を、四つん這いになろうが、石に躓こうが、根気強く太郎平まで導いてくださった仲間の皆さん。
そのプロの技と優しさに支えられ、明日への活力は120%充電完了です。
一人では絶対に到達できないこの場所で、皆さんと乾杯(皆はお茶ですが私だけはビール)する瞬間。
これがあるから、私の登山はやめられないのです。
目の前に広がる薬師岳の雄大な気配を感じながら、明日への活力を充電完了。

7月18日の夕飯
全盲の私にとって、山は決して平坦ではありません。でも、四つん這いになって泥臭く登った先にある、この達成感と美味しいご飯。これがあるから、登山はやめられないのです。
明日は、いよいよ薬師沢小屋へ!!
小屋番の大和景子(やまとけいこ)さん、お元気でしょうか。
今から胸が高鳴ります。
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