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山の日レポート

山の日レポート

ひろしまで「山の日」に想うこと

2021.07.01

全国山の日協議会

地域発「山の日」レポート 日本山岳会広島支部

日本山岳会広島支部 前垣壽男(ひろしま「山の日」県民の集い実行委員会会長)

1997年11月1日、JAC広島支部が創立されました。地元、東広島市西条町の酒蔵で生まれた私は、子供の頃は近くの山、川で日が暮れるまで遊び、学生時代は法政大学ワンダーフォーゲル部に所属して、全国各地の山はもとよりロードを広く歩いて心身ともに鍛えられましたが、そのご縁もあってか創立時に入会を勧められました。卒業後、久々に岳友とも会えて、新たな山への想いも湧いて来たものです。

「20世紀に壊した自然は21世紀に直す!」

その頃、西条酒造組合(現、西条酒造協会)で、「酒屋として社会貢献出来ることが、何かないだろうか」との気運が高まり、広島大学に良い先生がいるとのことで早々に訪問しました。人気キャラクター、ピーターラビットのグッズの売り上げの一部が世界中から集まり、イギリスの湖水地方の環境を守る運動資金になっているという話を聞き、感じることがありました。
会社の杜氏が「最近、都市化が進んで、何となく地下水位が下がっているのではないか」と語っていた言葉を思い出し、岳友や酒造会社の人達と話を進めるうちに、酒蔵群の地下水源である龍王山の森の整備をしてはとの案が生まれました。ボランティア事業には資金が必要です。各酒蔵の出荷量に応じて、1.8㍑あたり1円の資金を拠出して頂くように理解を求めて歩き、「20世紀に壊した自然は21世紀に直す!」との想いから、官民一体で「西条・山と水の環境機構」を立ち上げることとなったのです。

山と水のグラウンドワークでの整備活動(龍王山にて)

「山づくり、水づくり、酒づくり」をテーマに講演会を開催

組織、事業予算等の計画書作成に入った頃、2002年2月の「第7回 森林と市民を結ぶ全国の集い」の開催が広島県に決定したとの情報が入りました。それを我が機構が主催することを当面の目標として、99年11月に組織を設立。翌年11月4日、故木村尚三郎東大名誉教授に来て頂き、「山づくり、水づくり、酒づくり」をテーマに講演会を開催したのがキックオフになりました。

「各地で山の日を作ろう」

2002年2月9日~11日の2泊3日、全国各地から1500人が集まり、東広島市を中心に集いを開催できました。閉会式の決議文として「各地で山の日を作ろう」と提唱し盛会裏に終了。決議した責任から広島県森林保全課とも協議の上、その年の6月1日、県民1500人の参加のもと龍王山で「第1回ひろしま山の日県民の集い」を開催しました。また、この年が国際山岳年にあたることから、東京から来てくれた江本嘉伸先輩に講話をして頂いたことも大変有意義でした。

「ひろしま山の日県民の集い」

この集いは各市町の持ち廻りで、毎年、メイン会場を変えて地元住民、企業等の理解と協力を頂き、広く官民一体の実行委員会組織を基本として開催しています。今まで19市町で開催し、前年度はサテライト方式で行いました。この6月第1日曜日の催しの参加者は、近年は1万人を超えています。昨年は残念ながらコロナ禍で中止となってしまいましたが、本年は予定地だった府中市をメイン会場に開催の予定です。

堂本暁子さん(元千葉県知事)を迎えての10周年記念講演会

全国山の日制定協議会が設立

私は支部会員として、JAC自然保護委員会全国集会に毎年出席しており、日本山岳会が初期の時代に、数々の社会貢献事業を展開したという業績を知りました。全国山の日制定協議会が設立されてからは、尾上昇元会長、成川隆顕氏、故磯野剛太氏、また、東海、岐阜、京都、大阪、四国、山陰等、各支部協議会設立に係わって来られた方々とのご縁もできました。全国大会が栃木県塩谷町で開催された時の故船村徹先生との交流や、山の日制定には谷垣禎一代議士が会長になられるなど、多くの方々と接する事ができたことも素晴らしい体験でした。

「山へ入りましょう」

国土の7割は山です。「ふる里の山は低けれど…」ではありますが、47都道府県それぞれの素晴らしい自然。そこに山が有ります。山の日は決して登山者だけのものではないと考えます。皆様の力で「山の日運動」を広げて次の世代を想い、地元の企業団体、岳友等、そして行政と手を取り合って、私たちの実行委員会を越して頂きたいものと思っております。
今年も地元の小中学校で、西条・山と水の環境機構のことや、「山へ入りましょう」との卓話をさせて頂きます。美しい里山の再生を想いつつ、山を語ろうではありませんか。 

(日本山岳会「山」2021年2月号より転載。内容は「山」掲載時点のもの)

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