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山の日レポート

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通信員レポート

国東の2日間 ミツマタの花に里山を思う

2024.03.29

全国山の日協議会

千葉県にお住まいの「山の日」会員鈴木葉子さんから、 国東半島旅行の投稿です

縁があり、国連の食糧農業機関から世界農業遺産に認定されている大分県の国東半島の里山に行ってきました。国東半島には「国東半島峯道ロングトレイル」という土地の先人たちが歩いてきた道を歩きながら風景や歴史を肌で感じることのできる総距離123キロにわたるロングトレイルがあり、私の訪れた時期はこのロングトレイルの途中にあるミツマタの群生地でミツマタの花が見ごろの時期でした。
宿泊した大分空港からも近い国東市の中心部にある宿で日の出を楽しんだ後、早速、見頃のミツマタの花を見に田んぼの広がる春の道を車で向かってみることにしました。

ミツマタの群生地

ミツマタの群生地

海沿いの近くを過ぎて、里から山に入るとぐんぐん坂を登り、細い道の先にはパッとひらけたミツマタの群生地があちこちに点在しています。群生地の中の駐車スペースがあるところで車を止めてもらいミツマタの花の中を散策してみることにしました。車を降りると空気は春の花の香り!爽やかな香りに包まれます。ミツマタの木に近づいてみると小さな黄色の花が枝の先にかたまって咲いています。枝の先の花のかたまりが全て開くと黄色の小さな鞠が付いているように見える可愛らしい花!ミツマタってこんな可憐でこんなにいい香りがするんだなあと思わず深呼吸。

花はこんな感じ。かわいくて爽やかな春の香り

適度に人の手が入ることで山と人は共存し、山からの恵みを得ることができる

この先の群生地ではなにかを売ってたり、コーヒーも飲めるということでまた別の群生地に向かうと、この地の農産物やミツマタの苗も売っていました。この臨時ショップでは新鮮なお野菜が実に安く売っています。やすいわけぎや花の苗を買って帰りたいと思うも帰りの飛行機のことを考えてじっと我慢。この群生地では地元のボランティアのかたからミツマタについてきくことができ、樹齢の数え方やミツマタがこちらにふえてきた事情も教えていただきました。
林道を整備するために木を切り倒し、明るく開けた場所ができたときにミツマタが生えてきたのだとのこと。
前日に国東半島が世界農業遺産に指定されたきっかけになったクヌギ林やそのまわりにある杉、檜の林を見ても思ったのですが、適度に人の手が入ることで山と人は共存し、山からの恵みを得ることができるんだなと感じました。

ミツマタは枝が3つに分かれているからミツマタなのだ。この分かれ目から樹齢が一年ごとにできるので、外見から樹齢を推察できる。木の寿命はおよそ10年。思ったより短い。こちらに林道を作るために大きな木を切ったらミツマタが増えてきた(その後人の手により植樹もされている)とのこと。林の木が入れ替わるための一時期に繁栄する低木なのかなあと推測してみたり。

国東半島を旅をして感じたこと

この地が世界農業遺産に認定されたきっかけは、前日に歩いて見学した国東半島に広がるくぬぎ林と連携するため池にあります。
椎茸栽培のために植えられたくぬぎの林が栄養のある土を作り、それが地下水に取り込まれることでため池になり、そのため池が農業を支え、海に注ぐと豊かな海の幸につながる、という、里山を守ることが自然と人々を豊かにするという様子を実際に見て感じたことに感銘を受けました。
山と里と海は繋がっている、里山を守ることは人の暮らしを守ることだなあと。
山散歩ビギナーの私はアルプスのような山ではなく里山として守られてきた山を歩くことが多いので一層そう思うのかもしれません。
大分の素敵な里山体験をさせていただきました。

鈴木葉子

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