
山の日レポート
通信員レポート
「うまそげ(おいしそう)になってきたねー」
2026.06.19
「うまそげ(おいしそう)になってきたねー」
新緑が深緑に変わろうとする5月下旬ごろ、お隣の敏子さんが朴の葉を見上げながら言いました。
ウサギの耳みたいにぴょこぴょこと最初の葉が展開し、その淡く、いかにも柔らかそうな葉がだんだん厚みも色味も数も増して、やがて白く大きな花をつけるので、朴の木は大好きな木の一つです。でもその葉っぱを見て、「美味しそう」と思ったことがなかった私には、彼女の言葉が初めとても新鮮でした。
でも、この地で10年暮らすと、その感覚が分かるようになってきました。
5月は田んぼや畑の作業がとても忙しい季節でもあります。
そのさなかに、「こびるだよー」とご近所さんが朴葉飯を差し入れしてくれることがよくあります。2枚の朴葉でくるまれ、スゲできちんと結ばれた包みを開くと、中には、ネマガリタケやゼンマイ、ワラビなど、当地でとれる山菜がふんだんに使われたおこわが入っています。そのおこわに朴葉の清々しい香りが移り、パクパク食べられます。おこわなので、腹持ちもよく、満足感も得られます。
食べた後は葉っぱとスゲをひとまとめにして、野山にポイ。そしてまた農作業に戻ります。
ふと顔を上げると、風に朴葉が揺れています。「ああ、おいしかった」と心の底から思う体験を繰り返すうちに、朴葉を見ると「そろそろ食べごろだな」と感じるようになってきました。そろそろもらうばかりではなく、作って配る側にならないとなぁと思いつつも、まだまだみんなからもらいたいのが正直な気持ちです。(玉実)

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