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山の日レポート

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通信員レポート「これでいいのか登山道」

【連載50】これでいいのか登山道

2026.10.27

全国山の日協議会

よりよい山の道をめざして、私たちにできることは何だろうか?

 おかげさまで、この連載も50回目となりました。全国各地で「山の道」を将来につなげるために活動されている皆さまからのご寄稿に、改めて感謝申し上げます。今回は那須平成の森での歩道整備についての中村仁さんによる連載2回目になります。ぜひ、ご覧ください。
 また、本連載を担当している登山道法研究会で実施中の「山と登山道」アンケートも、今月末まで引き続きご回答を受け付けています。詳しくは文末にありますが、引き続きのご協力を宜しくお願いいたします。
「山と登山道」アンケート(登山道法研究会)

那須平成の森での歩道整備② ~整備して終わりではないことの実感~

中村 仁(麓の山小屋)

 2023年に「飯豊朝日を愛する会」の皆さまから近自然工法の考え方を学び、その後、私たちは那須平成の森の中で実際の歩道整備に取り組んできました。
 近自然工法を取り入れた整備では、決められた工法をそのまま施工するのではなく、その場所の地形や植生、降雨後の水の流れ、降雪や氷結後の地表変化などを観察しながら、現場に合った方法を那須平成の森のスタッフとともに考えました。
 実際に作業してみると、整備した際には分からないことが、雨や人の踏圧などによって見えてきます。緩斜面ゆえに水の流れは難しく、想定どおり流れているのか、上部からの真砂土、山砂などがどこに溜まるのか、新たにどこが削られているのか、施工した箇所の周囲で、どのような変化が起こったのか、こうした変化を逐一確認しながら、必要に応じて手を加えていくことも歩道整備の大切な作業でした。
 ところが、整備後には思いがけない変化もありました。整備した場所の一部がイノシシによって掘り返されていたのです。せっかく整備した場所が崩されたと考えることもできますが、掘り返された地面を見ていると別の視点が生まれてきます。
 イノシシが地面を掘り返したということは、そこにミミズや昆虫の幼虫など、イノシシの餌となる土壌生物がいた可能性があります。人にとっては「散策道」であっても、イノシシにとっては単なる餌を探す場所であり、さまざまな生き物が暮らす土壌があることを示しています。私たちが整備している場所も、森の生態系の一部分であることを改めて感じました。

 だからこそ、掘り返された場所を単に整備した状態に戻せばよいわけではありません。イノシシを含め多くの野生動物の活動を予測し、集まっている落ち葉や土などの動きを観察しながら水の流れを考えて、再び手を入れていくことにしました。
 さまざまな背景の人が安全に歩けることと、そこにある自然を損なわないこと。その両輪を考えながら整備を続けていくことも、私たちが近自然工法から学んでいることの一つです。

整備後、イノシシによって掘り返された痕跡・・・損傷としてだけでなく、土の中に多くの生き物がいて、それを捕食する野生生物の生活の場であることを実感しました。

次回は、歩道整備・登山道整備を行なう人の輪を広げる活動と実践の機会をご紹介します。

「山と登山道アンケート」ご協力のお願い

 登山道に関心を寄せる登山愛好者、研究者らで勉強を続けている「登山道法研究会」では、現在、登山者やハイカーほか、「山の道」を利用するすべての人を対象に、「山と登山道」アンケートを実施中です。
 山の道で感じる課題や、誰が管理するべきか、好きな登山道などについての内容で、皆さまにご協力を呼びかけています。アンケートへの回答方法につきましては、下記ウエブサイトをご覧ください。いただいた回答は、今後の登山道整備理のあり方に関する検討の参考にさせていただきます。また、皆さま方がどのようにお考えなのか。その傾向やご意見などについても、集計結果をリアルタイムでご確認いただくことができます。
「山と登山道」アンケート(登山道法研究会)

***第2集報告書を頒布中です。 また「登山道」に関するご意見や投稿を募集します***

登山道法研究会では、これまでに2冊の報告書を刊行しています。こちらは本サイトの電子ブックコーナーで、無料でお読み頂けます。
https://yamanohi.net/ebooklist.php

また、第2集報告書『めざそう、みんなの「山の道」-私たちにできることは何か-』につきましては、紙の報告書をご希望の方に実費頒布しております。
ご希望の方は「これでいいのか登山道第2集入手希望」として、住所、氏名、電話番号を記載のうえ、郵便またはメールにてお申し込みください。
●申込先=〒123-0852 東京都足立区関原三丁目25-3 久保田賢次
●メール=gama331202@gmail.com
●頒布価格=実費1000円+送料(430円)
※振込先は報告書送付時にお知らせいたします。

報告書の頒布は、以下のグーグルフォームからも簡単にお申込み頂けます。
報告書申し込みフォーム

先に刊行致しました「第1集報告書」は在庫がございませんが、ほぼ同内容のものが、山と渓谷社「ヤマケイ新書」として刊行されています。
ヤマケイ新書 これでいいのか登山道 現状と課題 | 山と溪谷社 (yamakei.co.jp)

また、このコーナーでも、全国各地で登山道整備に汗を流している方々のご寄稿なども掲載できればと思います。
この記事をご覧の皆さまで、登山道の課題に関心をお持ちの方々のご意見や投稿も募集しますので、ぜひご意見、ご感想をお寄せください。
 送り先=gama331202@gmail.com 登山道法研究会広報担当、久保田まで

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