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山の日レポート

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通信員レポート

高知県西南地域の大黒山(1105.8m)をご紹介

2023.06.05

全国山の日協議会

文・写真提供:四万十はなんぼさん

高知県西南地域の大黒山(1105.8m)をご紹介します。
四万十川の支流で一番透明度の高いといわれている、黒尊川の上流域の集落から未舗装の林道を30分くらいで登山口です。かつて、地元の小学校では、集落から徒歩で登山し、親しまれてきた山です。
今回は5月9日に登山しました。

登山口(看板未整備)には、タニギキョウの小さい白い花がお出迎え。炭窯跡を通り、急峻な雑木林を行くと、大木が増えてきます。アカガシ、モミ、ミズメ、シデ、の中にひときわ美しい滑らかな樹皮のヒメシャラなどを縫うように登ると、尾根に出ます。尾根境は宿毛市の出井という地域(間寛平さんの出身地)になるので「出井越え」と呼んでいます。四国の西南部の山々が一望でき、天気がいいと宇和海も見えます。

タニギキョウ よく見ると一面に咲いていた

アカガシの巨木

出井越え

そこから尾根筋を少し行き、沢ルートへ。
途中崩壊地(ザレ場)があり、気を付けて歩きます。見た目より危なくないですが、要注意。

ザレ場

ハイノキとシャクナゲの生える道を行きます。昔の木地師の歩いた道と聞いています。
今年はシャクナゲの花を見たいと思いましたが、もう終わっていました。その代わりにハイノキが満開。
小低木のハイノキの白い淡い花がうっすら香り、ずうっと続いていました。鳥のさえずりと共に、なんと気持よかったこと! 

ハイノキの花と道

この辺りから、アカガシに混じり、ツガ、天然ヒノキ、モミなどの巨木が立ち並びます。
巨木を仰ぎながら行くと沢が出てきます。水分補給しつつ、コケの種類の多さ美しさを楽しみながら登ります。
あともう少しと、奮起して登ると、「金の仏像伝説」という面白い伝説のあるお寺跡「弥陀野」にでます。
そして、ヒメシャラの大木に、ヤマシャクヤク、オモト、ハンカイソウの不思議な広場があります。
そこに来ると、なぜかみんな自由に動き回り、辺りを散策したり、寝転んだりします。
5分程登ると標高1105.8mの頂上です。

ヤマシャクヤク、ヒメシャラの広場

歩きやすい尾根を行き、途中シャクナゲの道です。
一部、雷が落ちた跡なのか、木々が枯れてギャップになり、そこには満開のシャクナゲのサークルになっています。(今年は遅くて花の咲いた跡でした。)
足元に気を付けて急激な下りを行きます。ソリで尻滑りしたら楽だろうなと、いつも思う場所です。そして「出井越え」に戻り、下山します。
整備が途中なので登山口の看板は出ていませんが、もう一つのルートには、イスノキや、ツガの大木が素晴らしいルートもあります。

イスノキ (窓になっているのは神様が棲む?!)

どこもかしこも人工林ばかりの山にこの原生林が残ったことに感謝します。年によってはヤイロチョウも営巣します。
この山に何度も通い、アカガシの原生林が大好きになりました。

しかし残念ながら、この四国西南部は、風力発電計画が押し寄せ、開発ラッシュになってきています。
隣の市の土佐清水、三原村の境界「今ノ山」という山に、超巨大風車が34基建つ計画が進められています。計画の中には原生林も含まれ、200年~300年の巨木が切り倒させることになります。風車の周りは乾燥し、林内の環境は変わってしまうでしょう。渡り鳥が各地で犠牲に。この山は絶滅危惧種が多く生育しています。
景観、自然環境への危惧、海への土砂の流出、災害の懸念、人体への影響の不安から住民らの反対の声もあり、まだ決定はされていませんが、進んでいます。
その電気を変電所まで送電するためにこの大黒山を含む四万十川の西南部と黒尊川の西側の山々に沿って送電線の鉄塔が立ち並ぶことが計画されています。
山の稜線が壊されること、鉄塔と高圧線を見なければならない、と思うと心が苦しい。
原生林、生物多様性の森を大切にしてほしい。
人々が登山を楽しみ、山を愛することが、豊かな森を守ることに繋がるということを、今まさに痛感しています。

ギャップに咲くシャクナゲ

PDF:黒尊の森 大黒山風景林マップ


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