山の日レポート
通信員レポート
【福井市】戦国の栄枯盛衰を感じる「一乗谷朝倉氏遺跡」を紹介します
2025.07.15
福井県福井市の南東部に位置する一乗谷朝倉氏遺跡。
そこにはかつて、一万人もの人が住む城下町が広がっていました。
今からおよそ500年前、越前朝倉氏が一乗谷に城を構え、5代103年間に渡り一帯を統治していました。応仁の乱で荒廃していた京から貴族や僧侶などの文化人が多数来訪し、華やかな一乗谷文化が開花。北陸の小京都と呼ばれるほど、発展し栄えた町が広がっていました。
上空から見た一乗谷
しかし、世は戦国時代。5代朝倉義景が織田信長との戦いに敗れ、朝倉氏は滅亡。城下町には火が放たれ、すべてが焼き尽くされたのです。それから400年、主を失ったこの地は、田畑の下にうもれてしまいます。
現代になり、1967年から始まった発掘調査により、当時の暮らしぶりがわかる膨大な物や資料が出土。武家屋敷や寺院、町屋、職人屋敷、道路にいたるまで、当時の町並みまでもほぼ完全な状態で発掘されたことから、日本のポンペイと呼ばれ、発掘調査は今なお続いています。278ヘクタールという広大な範囲が国の特別史跡に指定され、特別名勝、重要文化財の指定も含め、国の三重指定を受けている、大変貴重な遺跡となっています。
「唐門」と「朝倉館跡」
「唐門」と「朝倉館跡」
遺跡の中に、武家屋敷と町屋からなる町並みを再現した「復原町並」があります。塀の石垣や礎石は発見された当時の物を使い、柱や壁、建具なども出土した遺物に基づいて忠実に復原されています。
また、一乗谷城は、朝倉館跡の背後にそびえる山に築かれた山城でした。標高473mの城跡には建物は残っていませんが、その遺構から往時をしのぶことができます。城山へは4つのルートがあり、いずれも1時間程度で登ることができます。
「復原町並」
町屋内部を再現
また、8月23日(土)と24日(日)には、一乗谷朝倉氏遺跡の夏のイベントとして、「越前朝倉万灯夜」が行われます。遺跡にランタンの幻想的な灯りが広がります。
毎年恒例の「越前朝倉万灯夜」
毎年恒例の「越前朝倉万灯夜」
今年8月10日(日)11日(祝)には第9回「山の日」全国大会が福井県で開催されます。お越しの際は、ぜひ一乗谷に足をのばし、戦国時代へのタイムスリップを味わってみてください。
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